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8.22021
高確率でホームページの集客が失敗するパターン
ホームページ制作会社が触れたがらないホームページ営業が上手くいかないパターンを今回はお話いたします。
ホームページを作ったはいいが、なかなかというか、まったく問い合わせの電話が鳴らないという方が少なからずいます。当然、制作会社はそういう話を先にしてしまうと問い合わせをしてきた方がホームページを作るのを止めてしまうので、制作会社の営業マンの中では「多分失敗するな~」と分かっていてもあえて触れずにスルーしてしまうケースが結構あるものと思われます。
早速、失敗してしまうパターンですが、これは簡単です。単純にまず需要があるかどうか、言うまでもなくそもそも需要がなければいくら商品の値段が安かろうとも、ホームページが綺麗に出来ていようとも売れません。残念ながらホームページは魔法のツールじゃありませんので需要がないものを売れるようにする力はありません。
数年前、とある治療院関連のホームページ集客に関する問い合わせを受けました。かなり特殊な施術が売りの整体院らしいのですがまったくホームページからの集客が出来ていない、なんとかして欲しいというのです。その経営者さんはしきりに「〇〇式〇〇療法」で検索1ページ目に来ていると言っていましたが〇〇式〇〇療法、自分も含め、うちのスタッフ誰もその言葉を知りません。そもそも誰も〇〇式〇〇療法という言葉に反応していないのです。確かに検索してみると〇〇式〇〇療法で1位に来ていますが、2位以下に〇〇式〇〇療法という言葉がありません、全国でそこだけです。
早い話、世の中の誰もが〇〇式〇〇療法を必要としていないのです。いくら自分がそれを売りにしたところで誰も知らないので検索のしようがない。だから、別のキーワードで集客することを考えましょうと言ってみたのですが経営者さんはがんとして〇〇式〇〇療法を譲らない、それでは私たちはお力になりませんとおりました。
それから暫く経ってそこの治療院の前を通ると空きテナントになっていました。〇〇式〇〇療法がどんなにいいものかは分かりませんけど、その言葉自体に需要はないのでこれで問い合わせを増やそうといったって土台無理な話です。
では需要があるのにホームページからの受注が見込めないパターンですが、これも簡単、元々働いていた会社から独立するとか、或いまったくゼロの状態で新規で開業する場合です。
ただし、がつきます、ただし、施工事例の写真を多く持っていれば別です。
建設建築系の会社から独立して新たに会社を興すという方の場合は率直に言って相当厳しい。円満に退社して、元々勤めていた会社で請け負った工事の写真を使わせてもらえるのであればいきなりスタートダッシュも決められるのですが、殆どの方はそういった写真を持っておりません。じゃあどうするかといえば、どうしようも出来ません。地道に営業をしてひたすら写真に写せる現場を見つけていくしかありません。ホームページを使って集客しようと思っているのに地道に営業しろとは随時矛盾した話ですが、そうですからそうとしかいいようがありません。
一般的に家のリフォームや外壁塗装工事などであれば数十万円から数百万円の出費となります。
なかなか、今のこのご時世、ポーンと数十万円ものお金をあまり考えず、はい、これと、支払える人はいないと思います。特にホームページを見て業者を選ぼうとしている人であれば当然じっくりと検討いたします。
そこで参考にするのは過去の施工事例です。過去にたくさん仕事をしている会社は信用できる会社、施工事例がまったく掲載されていない会社は信用できない会社というふうに色分けをします。
すると、ちょっと待て、施工事例がたくさん掲載されているあの会社、値段も高いし、技術も大したことがないぞと仰る同業者の方がおられるかもしれませんが、それは貴方が同じ建築系のサークルにいるから知っている話であって、それ以外の人は知りません。いくら自分の方が安く出来るし、技術だって負けないと、そういったところで施工事例が載っていないので説得力がまるでないのです。
これが数百円、数千円のものであれば値段だけで決めてしまうこともあると思いますが、数万円以上の商品になると、人は突如としてガードを固めます。要は失敗したくないのです。下手に失敗するぐらいなら多少高くても信頼できる業者に依頼したいと思うのが人情というものです。
こうして、信頼できるとされる業者は益々豊かになり、信頼できないとされる業者は益々貧しくなる、この二極化がネットの世界では進みます。おかしいという方もいらっしゃるでしょう、私もそう思います、しかし、事実を述べているだけです。
インターネットでは「勝者が総取り」といわれます。
まさにその通りで、勝ち続ける会社(WEBサイト)はひたすら勝ち続けます。同様に負け続ける会社(WEBサイト)はなかなか浮かび上がれません。また、これは検索エンジンに於いても同様で、グーグルの検索エンジンは定期的に更新をして、新しい施工事例をコンスタントに掲載するホームページを上位に表示させます。いくらグーグルの検索エンジンが優秀だといっても会社の内情までは分かりません。「あくまでもインターネット上」の判定をするだけであり、会社の内情や職人さんの腕の良し悪しなど分かりません。
この構図って子供の頃に遊んだ、トランプの大富豪に近いですね。あれもスタート時は一緒ですが、一度大貧民になると大貧民は抜け出せない。これは人数が多くなればなるほど、革命も起こしづらくなり、たまたま好いカードが廻ってきても大貧民は大富豪に好いカードを取り上げられてしまいます。
業種業態によって一概にそうだとは言い切れませんが、個人向けのリフォームや外壁塗装などの建築関係は独立してもホームページで集客するのは特に厳しいと言わざるを得ません。よくおられるのが前の会社がホームページでバンバン集客していたから自分もホームページを作れば自ずと集客できると思っていらっしゃる方がおられますが、私は施工事例を多数お持ちですかとお聞きいたします。まあ独立した途端、前の会社はライバル会社になり、施工事例は使っていけませんとなるのが常ですからなかなか期待できませんが、話の分かる社長(親方)だったりすると、餞(はなむけ)として、過去の施工事例の写真を自由に使っていいと言ってくれることがあります。
しかしながら現実問題、独立を前提とした退職の場合、なかなか円満退職ってあまりなく、あったとしてもそれこれとは別だといわれ、過去の施工事例は使えなかったりするので、かなり厳しい戦いを強いられるのは避けようがなく、早晩、ホームページを作ったからといって問い合わせがくるというのが淡い幻想でしかなかったことに気づかされます。
無責任な言い方になりますが、コツコツ自力で仕事を取って、取れたらそれを施工事例として掲載する、もうこれの繰り返ししかありません。グーグルの検索エンジンが現在のシステムをこれからも踏襲していくというのであれば数年単位で長期戦になります。
もっとも殆どの方がそんな悠長なことは言っていられないといってホームページ集客から脱落していきます。独立しようとしている方の夢をくじくような話をして申し訳ありませんが、こうした失敗する事例を先にお話するのも制作会社として当然のことだと思います。
こういった起業する場合とは別にすでに何年、何十年と商売を営んでおり、このたびホームページを初めて制作するという場合はかなりの高確率で成功します。施工事例であったり、それまで培ってきた経験が豊富にあるため、ホームページもいきなり中身の濃いものが出来上がります、伴って強力な集客が可能です。そして、ホームページを作って良かったと言われます。
かなり不公平なシステムかもしれませんがこれもそうだからそうとしかいいようがありません。
なお、他の制作会社がどうかは分かりませんが、弊社では原稿を代わりに書くということを致しません。アドバイスは致しますが代行して文章を書くということは致しません。クライアントが自ら書いたものをそのまま掲載するという方式を獲っています。ここでも文章を書くのが苦手だ、それは出来ないと言われますが、これも施工事例の話と同じで、ホームページを閲覧する側の立場からすると、文章を書くのが好き嫌いはまったくどうでもいい話です。
ホームページの閲覧者がここはホームページを立ち上げたばっかりでまだノウハウも蓄積していないので大目に見ましょうとでも言ってくれればいいですが、見た瞬間、なんだこれは、はい、用無しとサイトを閉じられてしまいます、厳しいかなこれが現実です。