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2.122025
サブスク型ホームページの落とし穴とは?
近年、企業のホームページ制作において「サブスクリプション型(定額制)」のサービスが増えています。初期費用が抑えられ、運用費も一定額で済むため、特に中小企業や個人事業主に人気のあるプランですが、実際には多くの落とし穴が潜んでいます。本記事では、サブスクリプション型ホームページの問題点を詳しく解説し、自社にとって本当に最適な選択なのかを見極めるポイントをお伝えします。
1.長期的にはかなり割高になる可能性
先日、福島県の学生発スタートアップ企業がホームページ制作サービスを開始したというニュースを目にしました。具体的なサービス内容は不明ですが、一般的なホームページ制作業務と仮定して考えてみます。
このスタートアップ企業が提供する料金プランは以下の通りです。
プラン名 | 価格(月額) | 特徴 |
ベーシックプラン | 9,700円 | 1ページ構成のシンプルなホームページ。個人事業主や小規模ビジネス向け |
スタンダードプラン | 14,800円 | 3〜5ページ構成の標準プラン。中小企業やサービス業向け |
プレミアムプラン | 19,800円 | 6ページまでの構成が可能。企業の事業紹介サイトやイベントサイト向け |
企業や店舗がホームページで何をアピールするかによって最適なプランは変わりますが、この料金表を見る限り、現実的にはプレミアムプランが選ばれる可能性が高いでしょう。ただし、このプランでは6ページまでと制限されています。一般的な企業のホームページは10ページ以上になることが多いため、超過分がどう扱われるのかは不明です。追加料金が発生するのか、6ページ以内に収めなければならないのか、詳細は分かりませんが、この料金表に基づけば毎月19,800円のプレミアムプランを選択することになりそうです。
年間に換算すると237,600円。ホームページは企業が存続する限り必要なものですので、長期的に見ればこのコストは無視できません。仮に5年間利用すれば、総額は1,188,000円と100万円を超える計算になります。
もちろん、この費用を支払ってもそれに見合うリターンが得られるのであれば問題ありません。しかし、同業者の視点から見ると、この金額は割高に感じます。特に、美容室や飲食店など頻繁な更新が必要な業種であれば、定期的なサポートは有益かもしれませんが、BtoB系の商社などでは毎月の更新はそこまで必要ではないケースも多いでしょう。
このスタートアップ企業のサービスを否定するつもりはありませんが、経営者であれば短期的なメリットだけでなく、長期的なコスト負担を検討することが重要です。サブスクリプション型契約が本当に自社にとって最適なのか、慎重に判断することをおすすめします。
2.SEO対策の限界と途中解約のリスク
サブスクリプション型のホームページ制作サービスでは、SEO(検索エンジン最適化)に関する自由度が低くなることがあります。特に、内部構造やメタタグのカスタマイズが制限されている場合、長期的な検索順位の向上が難しくなる可能性があります。
さらに、途中解約のリスクも見逃せません。サブスクリプション型ホームページを解約すると、契約中のサービス提供企業がサイトのデータを保持しているため、サイトの内容を引き継ぐことができません。新たにホームページを作成する必要があり、ドメインが変更されるケースも多く見られます。これにより、Googleの検索エンジンにはサイトの移転を正しく認識されず、SEOの評価がリセットされたり、本来そういった意図はないにもかかわらず、不正に複数のサイトを所持していると見なされて、ペナルティを受けたりする可能性があります。長期的なSEO戦略を考える際には、この点も十分に考慮する必要があります。
仮にペナルティを受けなくてもサブスク型のサイトがなくなり、新たにホームページを作り直す場合のSEO対策はまたゼロからですから検索エンジンに評価され迄には自ずと時間が掛かります。
確かに、期間限定での営業やイベントであればサブスク型のサイト作成も決して悪くはないと思います。しかしながら、永続的に事業を経営していこうとお考えであれば冷静に考えて、この毎月2万円の支払いは果たして理にかなっているのかどうかを検討する必要があります。
サブスクリプション型ホームページのまとめ
リアライズにはサブスク型のホームページから弊社サービスに切り替えられたお客様が多数いらっしゃいます。皆様、よく仰られるのが結局高いものについた、初めからこちらにしてよかったというものです。
起業するにはなにかと経費がかかり、初期投資は出来るだけ抑えたいと思うのは理解できますが、その抑えるはずの経費が却って高くなってしまうのであれば本末転倒です。
会社やお店がホームページを持つのが当たり前の時代です。だからこそ、ホームページの開設には慎重になるべきです。