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5.302022
気が滅入る話
新規でホームページを制作される方にとって、最初の一つが売れるまでがとにかく試練です。
もう何度も申している通り、ホームページが完成したからと言ってすぐに問い合わせが増え、商品やサービスがジャンジャン飛ぶように売れるようになるかといえばほぼそういうことはありません。オンリーワンの製品で、尚且つ、ミヤネ屋にでも紹介されれば瞬く間にバズって問い合わせの電話やメールがひっきりなしということもあるかもしれませんが、そういう商品は殆どなく、仮にあったとしても一過性の熱病みたいなもので、ブームが収束するのも極めて早いのが特徴です。
そういうレアなケースは別にして、じっくり腰を据えてなにか商売をやろうと思ったときです。
今どきですからまずはホームページで集客と考えるのがまあ一般的でしょう。事実、前に勤めていた会社もライバル会社もホームページで集客している、それならウチもと思うのも無理からぬ話ではありますが、やっとホームページが完成してもまったく問い合わせはありません。もしかすると、ホームページがサーバートラブルで落ちちゃっているのかと思って自社ホームページを見ると、ちゃんと公開されている。じゃあ、電話がもしかして停まっているのかと思い、実際に自分の携帯電話から会社の電話に掛けてみると普通に鳴る、それではメールフォームが故障しているのかと思って、メールを送信すると普通に受信する、要はソフト関係はなにも壊れておりません。単に問い合わせがないだけです。
商売をやっていると、売上はまったくないのに、家賃や光熱費は発生します。日本政策金融公庫や銀行から借り入れをしていると、その支払いも発生します。それに加え、日々の生活費も掛かります。いくら生活費を切り詰めても限界はあります。床に入り、眠ろうとしても不安でなかなか寝付けません、やっと眠れたと思っても支払日に金が足らず、借金取りに追われる夢を見て飛び起きる、さらに結婚をしていると、生活費もままならず、妻との会話も殆どなくなり、たまに妻が口を利いてくれたと思えばお金の話ばかり、電話が鳴るたびに督促の電話かと思いドキリとする、ノイローゼになりそうです、いや、もしかしてノイローゼかもしれません。
怖い話ですね。
でも、あえて現実を言います。
なんのツテもなく、独立した場合って得てしてこんなものです。
起業して5年後に生き残っているのは10%という残酷なデータもあります。むしろ、このデータを見ると失敗して当然と言えるぐらいです。
コンサルタントやWEB制作会社にホームページの相談をすると、良いことしか言いません。そりゃあそうです、厳しいですよといってみすみす見込み客を逃すようなことはしたくありませんから。
しかし、私はどう見ても非現実的なビジネスの場合、ホームページは仕事ですから作ります、しかし、正直、ホームページでの集客が上手くいくとは思いませんと、ハッキリいいます。中には「闇雲になんだ、始まる前に失礼じゃないか」と、怒って席を立たれる方もおられますが、後からこんなはずじゃなかった、何とかしろと怒られるよりはマシです。
まかりなりにも私も10年選手ですから凡そ、このビジネスは上手くいくだろうな~、失敗するだろうな~ということは分かります。
問題は私が初めに厳しいと言ったのにも関わらず、あとになって頻繁に「問い合わせがありません」、「まったく予約が入りません」、「商品が一つも売れません」と電話を掛けてくる方がいます。もうここまでくるとほぼほぼ末期です。
ちなみに、唐突ですが、私の味覚は割りと普通の味覚だと思います。
私が美味しいと思う飲食店は大抵混んでいますし、不味いと思う店は閑古鳥が鳴いています。
不思議なのは私が不味いと思う店です。でも、ここの店主は自分の作る料理が美味しいと思っているわけですよね?それとも不味いのを承知でお客に出しているんでしょうか。普通、飲食店を営むのであれば値段の多寡は別にして、自分の好みよりもお客様の味覚の方に寄せるべきですよね。それを不味いお店はなぜか知りませんが、寄せるべきお客の方からむしろどんどん離れていってしまっている。これも厳しい言い方をすると飲食店を経営するのに向いていません、店主の舌がポンコツなのです。
つまり、これと同じことを失敗するべくして失敗している経営者ってやっているのです。
商材を見て、これは売れると思っても、消費者がどう思うかはまた別の話です。貴方にとって最適な商品であっても消費者はその商品を欲してません。欲していない商品をこれはいいものですから是非とも使った方がいいですよといって、消費を換気したところで殆どが失敗します、だっていらないものはタダだっていらないですから。先の味覚音痴の飲食店の親父さんと同じく、そこを分っていないのです。
そして、いよいよ、金が廻らなくなり、どうしようどうしようと私のところに電話をちょくちょく掛けてこられてももはや打開策はありません。甘いものが苦手な人に大福やケーキを売る術は知らないからです。甘いものが根本的に嫌いな人にいくらこしあんや生クリームを力説したところで生理的に受け付けないのですからそれを好きにさせようとするのは土台無理な話です。
また、別の問題もあります。
需要が確実にある商品です。
これも得てして失敗することが多いです。
おいおい、矛盾していないかと言われるかもしれませんが、決して矛盾してません。何故なら需要が確実にある商品の場合、すでに大手が参入して、新参者が入り込む余地がありません。新参者がSEO対策なり、リスティング広告なり、費用を掛けて消費を喚起すれば大手はそれよりも予算を掛けて弱小を潰しに掛かってきます。これも当然です。出る杭は打たれますが、出過ぎた杭は打たれません、そうならないために小さな芽を摘んでおくのです
最近は起業ブームというか、商売を簡単に考えている方がいます。ホームページを作りさえすれば勝手に商品が売れると思っている方です。ハッキリいいます、そんなんで商売がうまくいくなら失敗する人はいません。
厳しいことばかりいっても気が滅入りますから(笑)、次回は効率的なネット集客をお話したいと思います。
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